難しい作例ばかりでよいのか?

ノンビリペースなので何かアウトプットがあるわけではないですが,だらだらと思う事を書いても行こうかと思います。

その中で最近気になっていることで,難しい作例ばかりでよいのか?というお話でも。

もちろん難しい回路は性能や機能は上がるのですが,最近,少し弊害を感じています。

まぁ,それがこのブログ書き始まった理由なのですが,そんな話でも。


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~人の成長には段階がある~


個人的には電子工作と言う物を初めて長く,すでに30年以上電子工作と言う物を続けています。

長く続いた趣味としては電子工作(電子工学),園芸(植物学),写真があり,バイク・自動車等もあります。

機械関係や植物で科学・工学,加えて写真で芸術にも触れていますのでバランスは取れてるかな?と。


こんな多趣味な私ですが,実は仕事も似たようなことをしています。

計装に始まりFAへと役務範囲を広め,いったん前職を辞めポリテクセンターへ,情報システム関連の学習の後,工場の自動化や情報化の業務に携わっています。

といっても,その前から趣味では勉強したり,前職で積極的に関わっていましたが。実はこう見えて前職の計装が主軸だった頃にエンベデッドシステムの免許取得してるんですよ?(苦笑


さて,趣味であれ仕事であれ,人間というのは徐々に成長していくものです。

成長にはいくつかの段階があり,その時の力量に似合った物や,必要なものは異なります。


例えば,まだトランジスタ1石の増幅回路のパターン(エミッタ,コレクタ,ベース接地に加え,自己バイアス,固定バイアス等々)がまだ覚えられていない人に,先に掲載のパワーアンプの様にトランジスタを10個以上使った回路を突然理解しろといっても現実的に無理でしょう。

そういった人には,いっそエミッタフォロワによるバッファーを何段か使いながら,最後に総合的に入力段のエミッターなりに帰還を掛けたような回路の方がわかりやすいでしょう。

このような回路では,オーディオで言えばHi-Fiとはいきませんが,帰還はかかっているのでそれなりに実用に動作するでしょう。


そこで,あれがダメ,これがダメ,とこうあるべきだ,と学習中の人に作れもしない,理解もできない答えだけ投げつけ去って行ってしまえば,その人は何もわからずじまい,かつ叱られただけになってしまいます。

これは教えたとは言い難い状況です。これで意欲が落ちてしまえば,むしろ学習の妨げでしょう。


もちろん,「趣味」は自発的にやる物なので自分で歩くしかありません。

なのでベソベソ泣かずに歩き切る力も大事なのですが,それだって育てなけれ力は付きません。

この辺はうちの母親が割と育て上手・・・というか,そもそも祖父がそういう人で,ありがたいことに私は苦労せずに済みましたけどね(苦笑


・・・と,ここで教育という点を長々語ってもしょうがないのいったんここまでにしつつ・・・いいか?大事な話だ。ここは仕事じゃねぇ。子育てでもねぇ。

これらの事を考えた時,それに似合った回路図や説明は世の中に十分にあるだろうか?と。

何か,最近極端な感じがします。

巷を見ればLEDを点滅させる基本的な回路に始まってくれるのですが,その先が突然マイクロコンピュータを使った回路や,トランジスタ30個も並んでっけど?みたいな回路が目白押し。


・・・これではちょっとなぁ,と。


最も,誰かの面倒を見てあげる必要なんてありません。趣味はそんな責務は追っていませんから。

とはいう物の,色んな人の回路や色んな人の説明,そういったことが書いてある本をあれこれ読んできた者としては,それがなかったらどうやってたどり着くんだろう?と。


結構みんな昔は書いてたんです。そういうベテランが結構多かったんです。

所は昨今,Twitter(X)が普及してからと言う物,なんだか競うばかりになったな,と感じています。

というか,その競ってる人たちだってネットや本でいろんなものを読んで覚えたはずで,いきなり「私の戦闘力は・・・」といわれたところで「ところでその戦闘力の元の配分は?ネットは何%?本は何%?本は出版社別には?」と訊きたくなってしまいます。


いや,電子工作は割と静かだったんですが,最近はそういう風潮が流れ込んできてるな,と。まぁ,人口増えたからなんですけどね。

人口が増えると自己と言う物は薄まっていき,自己の存在を証明するには・・・って・・・


ここ心理学のブログじゃねぇから。


まぁ,このままいくと風紀悪くなってくだろうな~と。

ほら,ゲームとかでもあるじゃないですか?何かがはやると競っていって,だんだん風紀悪くなっていくって。

(最もゲームは競争なのでそれでいいんですけど)


そんなこんなを考えていったとき,はて?競って難しい作例で埋め尽くすのはいい事なのだろうか?と。


~ベテランやプロでも難しい回路を作りたいとは限らない~


さて,今度はベテランやプロ側のお話。

私自身,電子工作を30年以上続けていますし,工場の制御や情報処理の仕事をしており一人のプロではあります。

そんな人はどんな回路を作りたいのか?という話でも。


これ,すごくがっかりする話かもしれませんが・・・


家帰ったら複雑で完璧な回路なんて作りたくもありません。

そんなの仕事でやればいいわ。超つまんねー。


これ,レースドライバーの佐藤琢磨さんも同じようなこと言っており。

あの人,PP1,ビートに乗ってたんですが,理由が「高性能なマシンなら仕事で乗っている,もっとエンジン使い切って思いっきり走れる車がいいと思ってこれに乗ってる」って理由で。

最近,これに共感しかないです。


個人的には「こんな回路で動いちゃうんだから笑い止まんないわ!」とか「わはは,こんな簡単に作ったのに結構いい線の性能出てるわ」って回路作るのが好きで。

すいません,生まれ持った不良性がこういうところに出ちゃってて。


いや,もちろん仕事に就く前は「こんな回路でいいのか?」みたいなコンプレックスはありましたよ?

けど・・・仕事についてしまえばそれはなくなり。結果,不良性の方が強くなり。


そもそも論,不思議と小さい頃から「簡単なのに性能が出るならそれに越したことはない」ってのが信条で,ちょっとした工夫で簡単に作れないか?と仕事中も常に考えています。

この辺は仕事での周りの人もそんな感じで,「最初はおもちゃでいい」とか「まずは簡単に作って使ってから高めればいいじゃん」「安全面だけしっかりしとけば後は用足りてりゃいいでしょ」・・・そんな言葉が平気で飛び交ってます。


これ,設備ってどうしても「余計な出費」と思われてしまいがちで,お金かけたくないんです。

なので「無駄金使えるか!工夫で逃げ切れ!」みたいなのが染みついてて。

それでも仕事ゆえそれなりな物は作るのですが,「いや,これココまでいらなくね?」「いや,それで会社儲かんの?発展も革新も儲けも費用対効果も見えねぇんだけど!」と結構不満たらたらで設計してることもあり。


なので,会社を出次第「お?悪くねぇなぁ」を求め始まります。

中にはそういいう人もいるんです。


すると・・・となりますね?

そう,プロだからといって難しい回路を趣味で作るとは限らないんです。

むしろ簡単さを追求する人もいるわけです。


更に言ってしまえば,工場設備って機械があまり得意ではない人も使います。

そのため,よりフレンドリーで分かりやすく,使いやすい方がいいと思うようになっていきます。

これ,人にやさしいばかりではなく,「めんどくさい」は「生産効率が悪い」でもあるため,そういった面でもこのような考えが強くなっていきます。


かつ,電子工作も30年ですが,昔は今のように海外サイトまで使えて良い部品が好きなだけ買えるような時代ではありませんでした。

そのため,その辺にあるのもで工夫して作っていました。

そういった時代を経験していると,いい部品を当たり前のように買って性能が出てもあまり面白くないのです。

だって,当たり前ですよね?いい部品使ってるんですもの。

いい部品が手に入り,しかも安く手に入るのは ”絶対的に” ありがたいですが,しばらくするとどうも物足りなく感じ始まってしまいます。


ちょっと難しい話ですが,このようにいい部品をふんだんに使って超高性能な物を作るのは,誰もが必ずしも楽しいとは限らないんですね。


~そんなこんなで始まったのがこのブログ~


と言う訳で始まったのが・・・本ブログという。

力量,スキルレベル的に中間ぐらいの回路を拡充していこうと言う物です。


多分,次の回路図が登場する記事は電源回路になると思います。

でも,小難しい回路ではなく,作りやすくはなってるかな?と思います。



というか,この通り作り始まってるんですけどね。

上手くいけば「トランスの配線をする」といったAC100Vの配線をすることなく,かといってEIコアでトランス作るでもなく,正負電源が作れるかと。

一旦±9V程度になってしまえば,あとはLM317/LM337なりで可変電源への発展はご自由にどうぞ,ですし。


そんなわけで,何か「その筋の人」っぽい記事を書く事も少ないですが,よろしくお付き合いいただければと思います。

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