"dB" という単位の話
最近,色々気になったので "dB" という単位について書こうかと思います。
私自身も子供の頃はよくわからない単位でしたし,Log10という物を理解した後もどこかよくわからないまま使ってた期間が長く,使い慣れたのは高校の終わりぐらいでしょうか?
ただ,dBを理解して使い慣れると,dBを覚えるのに時間を使ってしまうのがもったいなく感じてしまい。
というわけで,今回はdBの話を。数学の言葉を若干説明しつつ活用まで少し広げて話していこうと思います。
【目次】・・・今回はちょっと長いので目次置いときます。
dB,正体は何?と言われれば,「倍率やら比率やらを対数表記する単位」です。
正直,言ってしまうとこれにつきます。そう,だから「増幅」や「減衰」で登場するんですね。
ただ,これを聞くと音楽でDTMやレコーディングをやってる人はかえって混乱したのではないでしょうか?
「dBV」「dBu」なんて単位があり,こちらはdBですが電圧という物理量を表しています。
その点でいえば,無線の人もでしょうか?「dBμV」なんて単位があるので。
これ,先に書いた通り,倍率を表しているだけの単位であるため色々な所で使われており,それぞれがそれぞれの説明になってしまっていて説明が各所バラバラで混沌としてしまっており。
これら点を踏まえ,今回は音響向けや無線の内容も含めて ”dB” を説明しようと思います。
まずは,dBってなんなの?という話なのですが,まず出オチのような事を一つ書かなければいけません。
「dB」って一つの単位のように見えますが,実は「d」と「B」に分かれます。「デシ・ベル」なんですね。
小学校の頃に「デシ・リットル」って単位を使いませんでしたか?dBの「d」って「dℓ」の「d」なんです。
デシって10分の1じゃなかったっけ?そう,「1dB」って「0.1B(ベル)」なんです。
実は単位なのは「B(ベル)」の方なんですね。
なので,B(ベル)の意味だけ分かれば,dBの正体はわかりますね。
Bというのは何かを基準にした倍率があるとき,その倍率(または比率)が10の何乗か?という単位です。
電気で使う「k(キロ)」という接頭辞(昔は補助単位と呼んでいました)は「1000倍」という意味でしたね?
これって「10の3乗(10×10×10=1000)」ですよね?
これをB(ベル)で書くと「3B」になり,dBは10分の1B(ベル)ですから「30dB」となります。
・・・という意味しかありません。これがdBです。考えようによってはk(キロ)やM(メガ)の仲間です。
すると勘のいい人は「dBの計算の式のあの数字・・・」と思っている人もいるでしょう。
それは次の章にて(笑
さて,その前に章のタイトルのLog10について。
先に書いた通り,B(ベル)は「10の何乗」倍か?という単位です。この「10の何乗」というのはLog10も同じ意味ですよね?
Log10は10を底(何を何乗?の「何を」の部分,Log10の場合は10)として何乗した物か?言い換えれば「10の何乗か?」という「べき乗(何乗?の計算,同じ数の繰り返しの掛け算)」の「指数(何の何乗?の「何乗」の部分)」を求めるの関数です。
なので,かなり極端な言い方をしてしまえば,「B(ベル)はLog10の言い換え」とも言えます。
これ,何でこんな事になるのか?というと,そもそもdBは強さ等を表すための単位だったため,こんな感じになっちゃうんですね。
音量もdBで表記しますよね?「騒音の強さが80dB」とか。で,人間の感覚って指数的で,その指数を求める関数が丁度Logなんですね。
このように,ホントに純粋な意味しか持たない単位です。
まずは「な~んだ,そんな事か」となっていただければと。
さて,dBに「な~んだ」となった所で,dBへの換算の式を少し説明しようかと思います。
電力のdBの換算の式は,倍率を「x」とした場合,下記の通りでしたよね?
dB = 10・Log10(x)
この式,前章を見れば「そのまんまじゃん」って話ですね。
そう,そのまんまなんです。
B(ベル)はLog10,d(デシ)だから10倍・・・単純明快にそういう意味です。
はい,この章おしまーい!って感じですね。
けど,もう一つ換算式がありますね?電圧,または電流の換算式です。
こちらは以下の式になっています。
dB = 20・Log10(x)
はて?この「2」って何ぞやって話です。
これは電気でのdBは電力の方が基準になってるためです。その点をちょっと説明します。
これは「同じ抵抗器にかける電圧を2倍にしたらどうでしょう?」という点が関わってきます。
ここではdBの話をしているのでわかりやすいように10倍で考えてみます。
例えば1Ωの抵抗器に1Vをかけているとき,電流は・・・
R(抵抗) = E(電圧) ÷ I(電流)
∴I = E ÷ R
ですから・・・
I = 1V ÷ 1Ω = 1A
ですね?ここで電圧を10倍にすると・・・
I = 10V ÷ 1Ω = 10A
ですね?ここまでは電気の事を勉強していれば簡単ですね。電圧が10倍になれば電流も10倍です。
で,電気の勉強をもう一つ使いましょう。電力の計算式は・・・
P(電力) = E(電圧) × I(電流)
でしたよね?
なので,それぞれ1Vの時と10Vの時の電力を計算すると・・・
P = 1V × 1A = 1W
P = 10V × 10A = 100W
と,電圧が10倍になると電力は100倍になるんですね。
この様子を数式で見てみましょう。
先に出た抵抗と電圧から電流を求める式,電力を計算する式の電流の項に当てはめてみると・・・
R(抵抗) = E(電圧) ÷ I(電流)
∴I = E ÷ R ・・・これを電力の式に当てはめる
P(電力) = E(電圧) × I(電流)
↓
P(電力) = E(電圧)× (E(電圧) ÷ R(抵抗)) ・・・抵抗と電圧から電流を求める式に入れ替え
↓
P(電力) = E(電圧)× E(電圧) ÷ R(抵抗)
となります。これをもうちょっと,高校数学っぽく書くと・・・
P(電力) = E(電圧)2 ÷ R(抵抗)
となりますね?
先の「2って何ぞや」の2って,この「2乗」の2です。
先ほど同じ抵抗器にかける電圧を10倍にすると100倍になるといいましたが,これ,10倍は「10の1乗」,100は「10の2乗」ですよね?Log10の結果は2倍ですね?
これ電圧を100倍にしても同じです。100Vなら100A流れ,100V×100Aで10,000Wとなり,100倍で1万倍になります。
これまた100は10の2乗,1万は10の4乗で同じくLog10の結果は2倍です。
だから電力は「10・Log10(X)」,電圧は「20・Log10(X)」なんですね。
これはLogの性質でもあり,数学的にも「2乗だから2倍」は導出できます。
電気でのdBはまず電力で「デシ・ベル」の通り,電圧の場合は同じ抵抗器にかける電圧を変えたら?で,電力と抵抗と電圧の式より電圧の2乗が登場するので,電圧のdBは電力の2倍で変化する,というのがdBの換算の式なんですね。
dBの正体がわかった所で,冒頭にあった音響機器や音楽で出てくる「dBV」「dBu」,無線の「dBμV」についても。
多分,こっちの方を知りたい人はここまでの説明は意味不明,余計こんがらがってるかもしれませんね(苦笑
dBは何倍?を表す単位と書きましたが,これはdBVでもdBuでもdBμVでも同じです。
途中「何かを基準にした倍率」と書きましたが,それが電圧や電力といった物理的な量で決めてあるだけです。
え?何かよくわかんない?では簡単な「dBV」で。
dBVでは「交流電圧の1Vrms」(rmsとは交流の実効値という意味)を基準とした倍率の表記になっています。
例えば,10Vrmsは1Vrmsの10倍ですね?
で,電圧なので電圧の換算式より10倍なので「20dB」,10Vrmsは「20dBV」となります。
dBは「何倍?」を表す単位ですが,「dBV」などは「”何の” 何倍」まで決めてある単位なんですね。
言い換えると,基準が「物理的な値」なので「dBだけど単純に倍率ではなく物理量にもなっている」となります。
実は騒音などの「dB」もそうなんです。
人間の耳が知覚できる最も小さな音に対し,どれだけ大きいか?という単位で,音量の場合も「物理量」です。
アレ,dBと書いていますが,電気の場合は混同を避け「dBSPL」と書く事があります。
SPLは「Sound Pressure Leve」で「音圧」という意味になり,「耳で聞く音の大きさですよ」と明確にしています。
最も,この点は昔は「ホン」という単位を使っており,定義・物理量とも現在のdBSPLと同じです。SI単位化した際にちょっとトホホな結果になってしまった単位の一つでもあります。
さて,ここでちょっと疑問ですよね。何で単純に「何ボルト」と言わないのか?です。
これは,一つは音響機器ではアンプなどを接続しますが,アンプは「dB」で性能が書かれているのですよ。
すると計算しようにも単位が合っておらず,わかりにくいというのがあります。
例えば,「10Vrmsを20dBのアンプに通すと100Vrmsが得られる」はずです。
これ,「20dBVを20dBのアンプに通すと40dBVが得られる」と言っても同じです。
これなら「dBでdBだからdB・・・」となりますね?
あ,ちょっと勘のいい人は何か気づいちゃいましたね?
それは次の章で・・・そうなんです,それが便利なんです。だからdBを使うんです。
さて,これまた「な~んだ,そんな事か」となった所でdBuやdBμVも説明しておこうかと。
まずはdBu。ラインレベルの「+4dBu」で使われていますね。
こちらもdBVも同じく電圧の強さの単位で,基準は0.775Vrmsです。
言い換えれば,「dBVとdBuは単純に基準違い」で,0dBu = -2.2dBV (←便利だから覚えといてね!使い方は次の章で)と言えます。
これは600Ω終端回路の名残です。
昔の音響機器,特に業務用機では回路のインピーダンスが600Ωになっていました。
機器の入力端子に電圧をかけると,その先は600Ω相当になっており,0.775Vをかけて流れる電流と掛け算すると,1mW(端数を丸めてるので少しずれますが)になるんですね。
これが0.775Vの根拠です。
しかし,音響機器を弄っている方はご存じの通り,今は600Ω終端はあまり使われていません。
機器間の接続では古い機器との接続での互換性や,放送局の機器の統一のためとして残っている程度。
民間でも現役で使われているのは本格的なマイクや,楽器のピックアップ(電気的にはダイナミックマイクと同じ仕組み)程度でしょう。
結果,600Ω終端を考慮する事もなくなり,今はdBVの方が使い勝手がよいため民生品のラインレベルは-10dBV等となっています。
さて,ここまでくるとお気づきですね?無線の「dBμV」は1μVrmsが基準です。
このほか,dBmなんて単位もありますが,こちらは電力で1mWが基準です。
あれ?何かさっき1mW出てきましたね?そう,0dBuを600Ω終端回路に入れると0dBmになるんです。
こんな感じで,物理的に表せる物を基準に何倍?というdBもあります。
私たちが耳で聞いている「音」のdB(dBSPL)もその一つになります。
ここまででdBやdBVの正体はわかりましたが,「なんでわざわざdBを使うの?」という疑問が残るかと思います。
それはdBの使い方や,何でそんな使い方ができるのか?がわかれば解けるかと思います。
便利な圧力鍋があっても,使い方がや良さわからないと「いつもの鍋でいいじゃん!」ってなっちゃうじゃないっスか?おんなじですね。
なので,まずはdBの使い方を一つ説明しようと思います。
例えば下図のような構成があったとします。
うん,知ってる人が見ると,この接続やばくない?って感じですが。
と,機器構成の話は置いといて・・・
ここで,どの程度の出力が得られるか?を計算したい時dBだと簡単になります。
これ,先に答えを言ってしまうと「dB」を全部足せば答えがわかります。
+4dBuにEQ(イコライザ)の挿入損失(その装置で電気信号がどれだけ弱くなるか?音響機器なら音が小さくなってしまう度合い)の-20dBを足し,同じくEffect(エフェクター)の-20dBを足し,最後にAmp(アンプ)の+40dBを足すと出力が得られます。
この場合,(-20) + (-20) + (+40) ですからちょうど0,そこに+4dBuを入力してますから元通りの+4dBuが得られます。
試しに倍率でも考えてみましょう。
-20dBは10分の1で0.1倍,+40dBは100倍,「倍」ですから掛け算ですね?
そうなると計算は・・・
0.1 × 0.1 × 100 = 1
ですね?と,なんだかやけに小さい数字とやけに大きい数字の掛け算となりました。
今回は0.1とか100といった単純な値なので計算も簡単でしたが,これが0.5倍と4倍だったらどうでしょう?
答えは同じく1倍なのですが,「0.5と0.5をかけて・・・0.25?の4倍?」って感じですよね。
これ,この値の場合だと0.5倍は約-6dBで,4倍は約+12dBとなり,「-6 の -6 で -12dB,その後12dBあげるから0dBで元通り!」と計算できます。
これ,dBが「強さの単位」なので「弱くなって,弱くなって,強くする」と直感的に考える事ができます。
なので,下図のような図を描く事ができます。
たま~にいませんか?
ベースやギター片手に「エフェクターで6デシ下がって,イコライザーで6デシ下がってっからぁ!最後アンプで12デシあげてぇ!」とかパッションで音響機器の話してる人。(え?居ない?私は高校の先輩にいたんですが・・・)
そういった人の頭の中って,まさにこの図の通りなんですね。
あれ,別にクリエイティブな人々がパッションで生きてるなわけではない(?)んです。実際,dBがそうなんです。
さて,計算の仕方はわかりましたが,何でこんなので計算できるのか?というお話です。
この様子を数学っぽくなりすぎないように見てみましょう。
例えば,40dBのアンプの後に60dBのアンプをつないだとしましょう。
先ほどの説明では40dBと60dBだから100dBですよね?
ここで,40dBは100倍で10×10=100ですから10の2乗です。1にゼロが2個ついてるわけです。「10の2乗」の「2」ってゼロの数なんです。
60dBは1000倍ですから10×10×10=1000で10の3乗です。
ここで,100倍した後に更に1000倍ですから,100,000倍になってるはずです。
そのうえでゼロの個数を数えてみると・・・ゼロ2個の後にゼロ3個で結果ゼロが5個です。
これ,ゼロの個数を足し算すれば求められますね?
60dBと80dBでも同じです。
60dB+80dB=140dBであっても,1000×10,000=10,000,000で「ゼロ3個+ゼロ4個=ゼロ7個」です。
これはLog10が「10を何回掛けた物か?」で「10を何回も掛けると0がどんどん増えていく」ためにこんな事になります。これはべき乗の性質です。
これ,底が何であっても同じです。
ディジタルのコンピュータではLog2(底が2)を使いますが,「2の何乗?」ですから,4は2×2でLog2の結果は2,8は2×2×2でLog2の結果は3,4×8は「2×2」×「2×2×2」をしている行為で,結果的に2を5回掛けている,つまり2回+3回で5回掛けているという風に計算できます。
もっと人間の言葉っぽく書くと「2回掛けた物に3回掛けた物を掛ける」「はて?掛けた回数の ”合計” は」になり,掛け算の回数を数えてるだけなんですね。
ここで,dBは「何倍」の単位でもあるのですが,もう少し詳しく見ると「10を何回掛けた物か?」で表現しているため,掛け算の回数の単位とも言えます。
そこにアンプは「何倍」と掛け算の機械であり,いくつもつなぐと「何倍のさらに何倍」と掛け算の関係になります。
最初から最後までず~っと掛け算ですから,結果的に何を何回掛けたか?を考える事になり,dBの足し算で倍率を計算できてしまうんですね。
先に出た40dB+60dB=100dBは,「10を2回掛けた相当のアンプに10を3回掛けた相当のアンプを接続した」ので「10を5回掛けたのと同じ=100dB」なんですね。
dBの意味はここまで説明した通りなのですが,電気にはよく登場するdBの値があるのでそれについても少し説明しておこうと思います。
【 -6dB 】
色々な場所でよく登場する値です。意味としては「電圧で半分」という意味です。
20・Log10 (0.5) を計算してみるとわかりますが,-6.02・・・といった値になります。
この値を丸めて「-6dB」と言っています。
丸めているので「-6dB」を逆算してもぴったり半分(0.5)にはなりませんが,意図は「半分」になります。
【 -3dB(電力比) 】
-3dBはいくつかの意味があるので,まずは電力比から。こちらは「電力で半分」という意味です。
10・Log10 (0.5) を計算してみるとわかりますが,-3.01・・・といった値になります。
この値を丸めて「-3dB」と言っています。
こちらも丸めているので「-3dB」を逆算してもぴったり半分(0.5)にはなりませんが,意図は「半分」になります。
【 -3dB(カットオフ周波数) 】
続いて-3dB,もう一つはカットオフ周波数で出てくる -3dBです。
この根拠,あまり書かれていないので少しふれておこうと思います。
これが登場するのはこんな回路です。
CR回路のHPFで出てくる数値です。もしくはCとRが逆のRC回路のLPFでも出てきます。
HPFという形ではなくても,音響機器の入力のカップリングコンデンサ(DCデカップル)でも出てきます。
この回路でよく聞く「カットオフ周波数は1/2πCRで,その時の減衰は-3dB」という形で出てきます。
これ,どういう状態なのかというと,コンデンサ(C)のインピーダンス(交流の抵抗値)と抵抗器の抵抗値(R)が同じになっています。
これをよく出てくるベクトルの図で見てみましょう。
ここでは「なぜ同じだと -3dB なのか?」に着目するので,実際の値はあまり意味がなく,ZcとRが同じだったらどうなるだろう?だけ考えます。
CとRの合成インピーダンスのZCRとR,CのインピーダンスのZcと並行の破線(点線)で三角形が出来上がっていますが,ここでZcの線とRの線はコンデンサの性質より90°,直角です。
かつ,ZcとRが同じ長さの場合,二等辺の三角形となり,直角二等辺三角形となります。
ここからはやり方が二つあるのですが,三平方の定理の方が回路のイメージに近いので三平方の定理で説明します。
三平方の定理より,斜辺の2乗は底辺の2乗と高さの2乗を足した物と同じです。
すると・・・1は2乗しても1ですね。1+1で2・・・は斜辺の2乗と同じですから,斜辺の長さは√2となります。
斜辺の長さ,合成インピーダンスのZCRがCR回路全体のインピーダンスで,CR回路は交流ではCとRの分圧回路です。
分圧回路と考えれば,出力は「出力側の抵抗 ÷ 回路全体の抵抗」ですから,「R÷ZRC」となり,「√2分の1」「0.707・・・」になります。
この0.707・・・は sin 45° の値でもあります。
先に書いた通り,二等辺直角三角形ですから,θで示している角の角度は45°です。
そこからも計算できます。かつ,このθはCR回路の位相のずれですから,位相も45°となります。
ここで,この「0.707」をdBに換算すると -3dB となります。これがカットオフ周波数の -3dB の根拠です。
ここまで書いてきた事より,CR回路,RC回路のカットオフ周波数については以下の事が言えます。
・CのインピーダンスとRの抵抗値が一致する,結果-3dBの減衰となる。
・CのインピーダンスとRの抵抗が一致するので,直角二等辺三角形となり,位相のずれは45°となる。
【 20dB,-20dB 】
今度は簡単です。意味としては「20dB=電圧で10倍」「-20dB=電圧で10分の1」という意味です。もう,dBの理屈そのまんまな値ですね。
ここで,一つ着目したいのはマイナスになると「〇〇分の1」になる点です。これはここまでの -6dB も -3dB もです。
-6dB をプラスにして +6dB にすると「2分の1」が「2倍」に変わります。
【 -6dB/oct,-20dB/dec 】
これまたよく見るけど,組み合わせになっている値です。
このoctやdecって周波数がどれぐらい変わると,という意味で,octは音楽でおなじみの「octave」で2倍,decは「decade」で10倍です。
これらの事を踏まえると「-6dB/oct」は「周波数が2倍になると-6dB=半分になる」,「-20dB/dec」は「周波数が10倍になると-20dB=10分の1になる」という意味です。
これ,どちらも「何 ”倍” で何 "分の1"」,かつ「2倍で2分の1」「10倍で10分の1」と「倍」と「分の1」が同じ数字(2と2,10と10)なので,-6dB/oct も -20dB/dec も同じ意味になります。
え?-12dB/octだったら何dB/decなのって?勘のいい人は分かりますね?そう,-40dB/dec です。
【 96dB,90dB 】
この値は今までとはちょっと毛色の違う値です。この値はディジタルで出てくる値です。
CDやPCのオーディオでは,音は16bitのデータで記録されていますが,16bitのデータが表現できる範囲は「符号なし(プラス・マイナスが無い)」であれば 0~65535 となります。
この 65535 をdBの式に当てはめると96dBとなります。
何の倍率?といえば,1bitは0か1かだけなので 1 までしか表現できませんが,16bitは 65565 まで表現できるので,表現できる範囲の倍率は 96dB という意味です。
が,これちょっとこれだけではうまくいかず。
というのが,1Vの交流を考えると,+1Vと-1Vの間を行ったり来たり,マイナスの値も記録できなければいけません。
すると「符号付き(プラス・マイナスがある)」の16bitを使うことになります。
符号付きになると扱える範囲をプラスとマイナスに半分ずつ割り振る形になり,-32768~+32767 となります。
すると最大で扱える数値は「32767」となりますから,結果 90dB となります。
(これは半分だから-6dB,96dBと足して90dB,でも算出できますね!)
さて,dBの意味から少し広げて長々説明してきましたが,恐らく大半の人が「でも要点は強さや倍率の単位で,0の個数を数えた単位なんでしょ?」「オレらが使ってる単位はその基準が電圧だから電圧の単位っぽく見えるんでしょ?」となったかと思います。
言ってしまえば,ほんとにそれだけの話なんです。
単位というのは,「こういう意味だよ」という記号に過ぎません。
ただ,道中にあったdBVやCR回路の -3dB の様に,使う先の理屈で少し意味合いが違って見える事もあります。
しかし,それはあくまで2次的な話ですので,そこは整理して考えたほうがよいでしょう。
要点としてはここまで書いた通りで,電気や音楽,無線ではここまでの内容で概ね事足りると思います。
というわけで,今回は "dB" の話でした。それでは,また (・ω・)ノシ




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