悩ましいかなBlogでの製作例

さて,更新少ないながらも何か書いていこうか?と思い始まった当Blogですが,まぁ~困ってしまうのが・・・製作例。いや,これ他の人も困ってるらしいですが。

鉄板の作例といえば,昔はAMラジオでしたが今やバリコンすら入手性が怪しいようで。

今回は,はてさて製作例どうしましょうか?・・・なんて話でも。今日は日記的です。


~このBlogで扱う対象~


まず,そもそも論このBlogが扱う内容なのですが,コレは  過去記事  でも書いており,高度な製作記事で魅せるという方向性ではありません。

どちらかと言うと,これから電子工作を始める人や,ある程度やってみてステップアップしたい人向けです。

先日, dBについての記事  も書いており,電子回路にまつわる説明記事もあくまでつまずきそうなところの補足とか,そんな感じです。


この方向性がほんとにいいのか?は「知ったこっちゃない(いろんな意味で,結構闇深い)」といった感じ,まぁ,もう歳も歳なのでそちらの方がいいでしょう,と。

その他,あんまりお勉強風にするの取っ付きにくい感じになるので,少しフランクでEasyな感じで行こうか?と。


雰囲気はそんな感じとしても,何がし説明するうえで例はあったほうが話しやすく,何かの製作を通じて色々な電気の話をしていったほうがいいかな?とは考えています。実際,私もそんな本を読んで育ちましたから。

が,数年前から困ってる事として,この製作例を何にしようか?と。

いや,正確に言うと十数年前からこの手のBlogやホームページを持ってる人の間で,ず~~~っとある話題で。

何なら,この回で1万と2000周目ぐらいなんじゃないか?とすら。


今日はそんな話をしていこうかと思います。


~昔当たり前だった作例たち~


さて,電子工作歴30年越えな私ですが,まずは私が電子工作を始めたころの話でも。


私が子供の頃はスマートフォンなんて物はなく,それどころか先代の携帯電話・・・の更に先代,ショルダーフォンの時代。ポケベルですら一般的ではない時代でした。

今でこそ一般化すら通り越しスマートフォンやタブレットに取って代わられそうなパソコンも,非常に高価な機械で一般のご家庭にはない機械でした。

更に更に,当時はまだCDは一般的ではなくセットテープが主流。保育園に通っていたころはまだ新譜でレコードが販売されていました。


うん。「いつの時代だよ!」って感じですよね。1983年生まれってこんな時代を過ごしました。


読んでの通り,ほとんどがアナログで,「ディジタル」は何処か「最先端」の代名詞でした。

そのため,電子工作の本の製作例もアナログ回路が多かったです。

普通にフォノイコライザ(レコードのイコライザ)の製作例が載っているほどでした。

そんなわけでマイクロコンピュータを使用した製作例はほとんどなく,ただ本の通りに半田付けすれば電子機器作る事ができ,動かす事がました。


そんなアナログの時代,どんな製作例が多かったかというとラジオが多かったです。

インターネットもストリーミング配信もなかった時代,娯楽にまだラジオがあったんですね。

そのため,いろんな製作例が電子工作の本に載っており,ラジオに特化した本もありました。


その他はというと・・・今でいうLチカ,LEDを点滅させる製作例は昔からありました。

ただ,昔の製作例はトランジスタやNE555,74HC04や74HC00などのロジックICを使った物でした。


あとは意外と多かったのが「お風呂ブザー」です。

お風呂に水を張る際,ちょうどいい量になるとブザーが鳴るという物でした。

これらの製作例は何れもトランジスタ1個~2個で作れる製作例が多く,手軽な工作として格好の製作例として掲載されていました。


が,聞いていると何だか違和感がありますね?


~今はどれも必要なくなってしまった~


製作例を考えるうえで意外と困ってしまうのがこれなんです。

そう・・・今は何でも便利になり全自動,かつインターネットでオンラインなのが当たり前な時代。

どれも必要なくなってしまったんですね。


例えばお風呂ブザー。

今の新築のお家のお風呂は水貼りから湯沸かしまで全自動,人間が手動で水貼りをする事すらなくなってしまい。

まさか,ここすら必要性がなくなるとは思っていませんでした。


その他ラジオはどうでしょう?

今はストリーミング配信でもラジオを聴く事ができ,スマートフォンがあれば不要ですね。

カセットテープやCDも今や見かけなくなりました。

これまたスマートフォンで音楽を聴く事ができ,何ならオンラインで楽曲を買う事ができます。

レコードのフォノイコライザに至っては,カセットテープすら使わなくなった時代に一部のオーディオマニアを除き使うはずがなく。


もう,「便利な時代」の中でほとんどの物が必要性がなくなってしまったんですね。


そんな中,意外や息の長かったLチカ。

電子回路として手ごろで簡単だった事に加え,飾りや模型への組み込みができるためか?この令和の世まで生き延びた数少ない電子工作の製作例の一つとなりました。


~ソモソモ論,部品もなくなった~


さて,喜ばれそうな製作例が減ってしまった点も困った事なのですが,それ以上に困ってしまうのが部品です。

かつて昔当たり前のように手に入った部品が今は手に入らなくなってしまっています。


例えば,先のラジオであれば,ポリバリコンが徐々に入手困難になってきいているそうです。

そんなわけ・・・と私も調べてみたのですが,一見有名どころの部品屋さんにどこでも置かれているように見えて,実は型式がすべてのお店で同じでした。これ,仕入れ先が同じです。

ラジオはLC共振回路で同調,選局を行いますが,このコンデンサ側が入手困難となています。


コイル側であるバーアンテナも既に入手困難となっているようで,そもそも取り扱いがありません。こちらはスパイダーコイルを比較的容易に作る事ができ,まだ何とかなるんですが・・・う~ん。

作るかはともかく,「ラジオを作れる」という時代も終わりが近づいてきたようです。


じゃぁ,スパイダーコイルの様にバリコンも作ればいいのでは?という案もない事はないのです。

ただ,そこまで行くと,薄鋼板やプラスチック板の加工組み立てとなってしまい,電子工作のスキルの前に模型工作程度の工作ができる,という条件付きになってしまいます。

まして,コイルであれバリコンであれ,どんなに簡単に作る方法が考え付いたとしても,回路が動かなかった際に自分の作った部品が悪いのか?回路の組立が悪いのか?わからなくなってしまい,製作例の再現性はどうしても低下します。


その他,半世紀近く「NPNの小信号増幅と言えば!!」と脊椎反射の如く使っていた2SC1815もついに生産終了となりました。

こちらは2N3904へ置き換えれば多少の配線変更で対応可能,殆どの製作例は問題ありませんが,一つ,今までは使えたけれど使えなくなった部品です。


その他,74HCや4000シリーズといったロジックICもだいぶ取り扱い終了,もしくは生産終了となっていました。

こちらもまた,一つ悩みの種です。フラットパッケージの方が残っている型式は多いようですが,これから始める,またはまだ始めたばかりという人には取り付けが困難でしょう。

今はFPGAやCPLD,速度を求めなければマイコンも普及,ロジック回路を自分で配線して作る事も減りました。

結果,デジタルの電子工作はまずパソコンを持っている事が求められるようになりつつあります。


物の豊かさに加え,部品の事情も昔とは変わってしまい,ますます製作例を考えるのが難しくなってしまっています。


~そんな中でも候補になりそうな物~


さてさて,とはいう物の困ってるばかりでは何も進みません。

なんか作ってみるわけですが,ここまで書いてきた事が概ねヒントでしょう。


まず,ラジオは持たなくなったとしても,今はスマートフォンを持っています。

スマートフォンも電子機器ですから,繋がる物もまた電子機器です。

ならば,その中から作りやすい物を選べば良いわけです。


その中で何があるかというと・・・先に「スマートフォンで音楽を聴いている」が丁度よさそうです。

いつの世もスピーカーやヘッドフォンを駆動するのは最終的にアナログ回路です。D級でもあってもPWM+LCフィルターですから。

かつ,最近はスマートフォンでも3.5φのジャックが復活しており,オーディオ出力を得るのも容易です。

更に,オーディオであればアナログ出力さえあればスマートフォンに限らず使う事ができます。


・・・と,結局オーディオか,とも。


ただ,コレ,実は環境をそろえやすくもあり。

オシロスコープ代わりにPCのオーディオ入力を使うようになって久しく,PCを持っている人はオシロスコープを揃えるのを後回しにできます。

最も,今は秋月などで安価にオシロスコープが販売されていますから,さほど大きな問題ではないかもしれません。

今ちらりと見る限りでも,1万円を切る値段で2.5Mpspで2chのハンドヘルド,かつスタンドアローンのオシロスコープが売られていますね。

波形を見たいから10倍オーバーサンプリングで2.5Mspsだと・・・と考えると,観測できるのは125kHzまでですが,オーディオ帯域であれば問題なく。

周波数が低いから安価なオシロスコープでも平気・・・そういった面でも,やはり初期投資を減らせます。


その他は簡単なロボット工作でしょうか?ロボットはまだ一般家庭には普及していません。

こちらはライントレーサーや迷路探索ロボット(壁伝い法),その応用のおもちゃなどいろいろ作れます。

まして,こちらこそ測定器としてはテスターがあれば作れる工作でしょう。

ただ,こちらは多少模型工作をやった人向けですね。逆に,電子工作からロボットを通じて模型工作に趣味を広げてもよいでしょう。


模型というのならLチカも役に立ちます。

航空機の模型を作った際,衝突防止灯(アンチコリジョンライト)を点滅させたり,鉄道のジオラマで踏切を点滅させたり,使い方は色々あります。

そこから転じて,何か音が出るとか,そういった素材的な回路も良いのかもしれません。



と・・・

恐らくこの辺しか残ってないでしょう。正直,昔に比べれば半減といったところです。



もちろん,今もなおアマチュア無線は寛容です。

とはいえ,今からアマチュア無線を始めよう!というのもちょっと難しいでしょう。

私自身,アマチュア無線の免許は持ってはいるのですが,そのうえで「スマートフォンなどが普及している時代背景受け難しい」かなと。

ホントは「自分の作った回路で電波出す」ってのはやっておいたほうがいいと思いますが,実は電波の規則も昔に比べ厳しくなっており。ちょっと難しいかな?と。


その他はどうでしょう?

マイコンでもPICなどの安価な物はいいかな?と。こちらはステップアップ向けです。

ラズパイの類は・・・ほかの人にお任せしようか?と。似たような物を弄りましたが,私はどうもハマらず。


真空管関係は少し様子見ですね。

昔は「安い12AU7で~」とできたのですが,今や12AU7すら高価になってしまい。

これ,なんせロシアが現在あの状況なので・・・ってのも絡んでおり。


まぁ~,こんなところではないでしょうか?

この辺をターゲットに製作例や記事をか考えては行こうと思います。


~とりあえず何か書いてみよう~


長々とは書いてきましたが,結局のところ何か書くしかなく。

少なくとも,オーディオという線は30年前からもある線です。この辺は安泰でしょう。


もはやOM(Old Man,無線用語)に片足突っ込んでる私ですが,昔に比べれば「自分で作ってみることができる」というフロンティアは減ってしまいました。

逆に「人工衛星を飛ばしてもらえる」といった,増えたフロンティアもあるのですが,それはベテランにとってです。

いや,もっと言えば,すっぽ抜けてしまったのは中級編なのです。ホントに困ってしまっています,この点は。

先に「フラットパッケージには残ってるけど・・・」と書きましたが,少し込んだ物を作ろうとすると途端に敷居が上がってしまい,ここがむしろ一番困ってます。


最も,かつてOMに片足突っ込んでいた現OT(Old Timer,無線用語),もしくは無線機とかつての飼い犬と共に虹の橋を渡ってしまった諸先輩方が,私たちの「中級編」を考えてくれたから私たちがいるのでしょう。

電子工作というのはメーカーすら入門セットや入門キットを安価に出してくれたりと,案外教育熱心でした。その御鉢が私たちの世代に回ってきただけなのかもしれません。

とはいえ・・・パイセーン,だいぶヤバいんすけど?とは言いたいところではあります(苦笑


今現在,ちょっとヘッドフォンアンプの回路考え中なので,その辺を使いつつ,記事の雰囲気つかんでみようかと。

高速のアナログ回路がやりにくくなってしまったのが大真面目に悩ましい・・・いや,NTSCビデオ信号(あれもMHzオーダーのアナログ信号)も廃れちゃいましたし・・・なのですが,書きつつなんかいいアイディア考えてみようかと思います。

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